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Beast 〜獣たちに好かれた僕〜

第14章 クラウン



僕達は小山さんが戻ってくるまでコンビニ近くの喫茶店で待っていた。


優誠「小山の奴…ちゃんと話聞けてるのかな…?」


狛犬「大丈夫だって!」


聖輝「小山さん…」


小山「お待たせしました…」


優誠「おぉ、どうだった?」


小山「あの…本当はやっちゃいけないことなんですけど…これ…」


狛犬「えっ?スマホ?」


小山「彼の話を録音しておいたので…」


聖輝「ほっ本当ですか?!」


狛犬「マジで?!小山っちすごい!!」


優誠「録音までは思いつかなかったわ…」


小山「じゃっじゃあ…再生しますね…?」


小山さんは録音した会話を聞かせてくれた。


小山『あの〜…すみません…』


矢島『はい、何ですか?』


小山『あの…私相模原工業高等学校の者なのですが…先日ここでウチの生徒が万引きしたと聞いて…』


矢島『あぁ、あの顔の怖い人…』


小山『あの…万引きした瞬間を目撃されたと聞いたのですが…』


矢島『はい、僕はレジの方で作業してたので…ちょうど一直線先のあの辺りで万引きしていましたね。』


小山『そっそうですか…あの…彼は何を万引きしたんですか?』


矢島『あそこの棚にある栄養ドリンクを1本カバンの中に入れてましたね、それを裏口から出てきた店長が目撃して…』


小山『そうだったんですか…』


矢島『でも…今思うと何か不自然だったんですよね…』


小山『不自然…?』


矢島『えぇ、まぁ…こんなこと言うのも変なのですが…あの場所って監視カメラの真下なので…カメラの前で堂々と万引きするのかなって…』


小山『確かにそうですね…でも、栄養ドリンクが欲しかったっていうことも…』


矢島『そこなんですよ、僕が気になってるところ。』


小山『えっ?』


矢島『実は彼…30分前頃に一度このコンビニに来てるんです、僕レジ担当していたのではっきりと覚えています。』


小山『万引きした30分前にも来てたってことですか?』


矢島『えぇ…しかも…不思議なことに…30分前に来た時も…栄養ドリンクを買ってたんです。』


小山『えっ?!』


矢島『確か4本くらいまとめて買ってたかなぁ…あっ、ちょっと待っててください!』


小山『あっはい……』

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