Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第14章 クラウン
倉庫の奥から狛犬さんが出てきた。
横山「おっお前…何でここに…?!」
狛犬「松潤のフリしてた。」
横山「はっはぁ?!」
聖輝「狛犬さんにお願いして松本さんのフリをしてもらったんです、この暗闇を利用して。」
横山「暗闇…?!」
聖輝「暗闇の中だったら顔がよく見えませんからね、仕草さえ真似すれば松本さんのフリをすることができるんですよ。」
狛犬「そう!全てはお前をおびき出す為にね!!」
横山「俺をおびき出す…?」
聖輝「そうです!トランプ事件を起こした松本さんも…万引きをした松本さんも…あなたが変装してたんだから!!」
横山「はぁ?ちょっと待てや!俺が松本に変装してた証拠はあるん?」
聖輝「ありますよ!」
狛犬「この写真とトランプが犯人の手がかりを指してる!!」
横山「写真とトランプ?」
聖輝「そうです!この写真に写ってる松本さんの手を見てください!」
横山「手?あぁ、万引きしとるな。」
聖輝「違います!ポケットに隠してる左手を見てください!」
横山「左手?」
狛犬「ケガしてるでしょ?左手ぐるぐるに包帯巻いてさ…ちょうど横山くんの左手のように。」
横山「あっ…!?」
聖輝「それにこのトランプ!側面に血がついてます…血がついたトランプと包帯が示す答えは…犯人はトランプでケガをしたということです!!」
横山「何やと…?!」
狛犬「松潤に完璧に変装したつもりでも手は隠せなかったみたいだね。」
横山「待てや!!確かに俺はケガしてる!でもな…松本だってケガしてるかもしれへんやん?!」
聖輝「それはあり得ません。」
横山「何でや?!」