Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第16章 幼なじみ
松本「お前ん家この辺なの?」
聖輝「はっはい、あの道まっすぐいったところです。」
かえ「涼野くんって…やっぱりケンカするの?」
聖輝「えっ?」
松本「あははっ!こいつケンカどころかメンチ切られるだけでべそかくから。」
かえ「えっそうなの?」
聖輝「だっだって怖いじゃないですか!!」
かえ「そうだね…怖いよね。」
松本「で、いっつもまーに泣きついて助けられてるんだよな?」
聖輝「なっ泣きついてなんか…ないもん…」
かえ「まーくんかぁ…本当に優しい子だもんね。」
松本「そうだな…優しいのはいいけど、自分を犠牲にするとこがあいつの悪いところだけどな。」
かえ「昔からだよね?小学校の頃クラスで宿題プリントなくなった時も、自分じゃないのに犯人庇って罪かぶったりしてたもんね。」
聖輝「えっそんなことしてたんですか?!」
松本「それだけじゃねぇよ、クラスで人気ない役割とか全部まーが引き受けてたし。」
かえ「まーくんが好きだった女の子と別の男の子の恋のキューピットになったりもしてたかな…」
聖輝「好きだった女の子…?」
松本「あぁ、中学の頃だろ?あいつかなりの世話好きだったからな…」
聖輝「好きだった…女の子…」
狛犬さんの好きだった女の子って…かえでさんなんじゃ…
かえ「まーくん…優しすぎるよね…」
松本「そうだな…だから余計心配なんだよな…」
聖輝「狛犬さん…」
かえ「えっ?狛犬?」
松本「こいつはまーのこと狛犬って呼んでるんだよ。」
かえ「へぇ〜可愛い。」
聖輝「あっいや…ぼっ僕のこと守ってくれるから…」
松本「そうだったな。」
かえ「まーくん元気?退院してから一回も会ってないけど…」
松本「元気だよ、この間も派手にケンカしてたし。」
かえ「えっ?!それ…大丈夫なの?!」
松本「大丈夫だよ、傷口に支障はないから。」
かえ「そう……」