Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第16章 幼なじみ
聖輝「…あっ、あのアパートです。」
松本「あそこか…」
聖輝「すみません…荷物持ってもらって…」
かえ「いいのよ、これからも潤のことどんどん荷物持ちとして使って。」
松本「はぁ?!てめぇらの召使いじゃねぇよ!!」
聖輝「あははっ!召使いって!」
かえ「あははっ……あれ?アパートのところ誰かいるよ?」
松本「ん?何だあの車…」
聖輝「車?」
かえ「あれって外車かな?」
聖輝「…あっ…!!」
あの車…もしかして…!!
松本「すげぇ…かずん家の車よりも高そう…」
かえ「この辺り結構お金持ちの人多いもんね。」
松本「だよな〜…俺らとは住む世界が違うよな…」
やっぱりあの車…櫻井様の車だ!!
何でこんなところに…?!
かえ「どんな人が乗ってるのかな?」
松本「ちょっと覗いてみるか。」
聖輝「あっあの!!あの…こっここで大丈夫です!!」
松本「えっ?何でだよ?」
聖輝「なっ何でって…おっ重いでしょ?だからこっからは僕一人で運びますよ!」
松本「いや、ここまで来たら家まで運ぶよ。」
聖輝「いやっでも…」
かえ「それに階段もあるから大変でしょ?家まで送らせて。」
松本「ここまで運ばせといて今更遠慮とかねぇだろ、行くぞ。」
聖輝「あっちょっ…!!」
どっどうしよう…!!
もし松本さんと櫻井様が顔を合わせたら…!!
聖輝「……。」
お願い…気づかないで…!!
松本「……。」
聖輝「あっあぁ!!」
かえ「どうしたの?」
聖輝「ゆっUFOかな?!あれ!!」
松本「はぁ?」
聖輝「ほっほら!!あそこ!!」
かえ「涼野くん…大丈夫?」
聖輝「だっ大丈夫です!!あっ…消えちゃった…」
松本「変な奴だな、お前…」
聖輝「あっあはは……」
UFOと叫んで車に目線を向けさせない作戦は大成功だった。