Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第3章 入学式
聖輝「ハァ……」
どうしよう…何かクラスの中で有名になっちゃったから…辞めるに辞めれないよ…
しかもいつの間にか『ルーキー』ってあだ名がついちゃったし…
聖輝「…中野さん…ごめんなさい……」
「涼野くーん!!」
聖輝「えっ?」
後ろを振り返ると、狛犬さんが僕に向かって走ってきた。
聖輝「こっ狛犬さん!」
狛犬「ねぇ!一緒に帰ろ!」
聖輝「えっ?あっはい…」
狛犬「よーし!行こ行こ!」
聖輝「うわっ?!」
僕は狛犬さんに手を掴まれ、一緒に走った。
狛犬「涼野くんってさ、一人暮らし?」
聖輝「あっはい、一人暮らしです…」
狛犬「へぇ〜そうなんだ〜」
聖輝「あの…狛犬さんは…?」
狛犬「俺?俺はね〜実はいとこの兄ちゃんと一緒に暮らしてんの!」
聖輝「えっ?」
狛犬「いとこの兄ちゃんって超頭良くてカッコ良くてさ、みんなの憧れの的なんだよね!」
聖輝「へぇ…」
狛犬「でも、こんな俺のことすっげぇ気にかけてくれるし、本当のお兄ちゃんみたいな人なんだ〜」
聖輝「そうなんですか…」
狛犬「あっ!これからお昼ご飯一緒に食べようよ!」
聖輝「はっはい、いいですよ。」
狛犬「やったー!決まり〜!!」
聖輝「……あれ?」
ふとスマホを見ると、メールが入っていた。
中野『話がある。』
聖輝「……。」
狛犬「あれ?どうしたの?」
聖輝「あっあの…ごめんなさい…ちょっと用事ができて…」
狛犬「あらら、そうなんだ〜分かった!じゃあまたね!」
聖輝「はい、すみませんでした。」
中野さん…絶対怒ってる…
僕は憂鬱な気持ちで家に戻った。