Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第3章 入学式
ガチャッ
聖輝「たっただいま……」
ドタドタ…
中野「聖輝…こっちに座りなさい。」
聖輝「はっはい…」
僕は中野さんと向かい合わせになるように座った。
聖輝「あっあの……」
中野「その制服…さが高のやつだな?」
聖輝「えっ…と…ごっごめんなさい!!」
中野「……どうしてさが高に行ったの…?」
聖輝「あの…ゆっ夢で…お父さんとお母さんと高校に行ってほしいってお願いされて…それで…」
中野「ハァ…事故のショックで幻覚を見るようになったのか…」
聖輝「ちっ違います!!本当に夢の中で…会話したんです…」
中野「会話って……」
聖輝「高校に行ってほしいって…ずっとそばで見守ってるって…何かあったら必ず助けるからって…しゃべったもん…」
中野「そんなこと……」
聖輝「それに僕…とっ友達できたんです!」
中野「…は?」
聖輝「あの…僕と友達になりたいって言ってくれた子が…いたんです…」
中野「…パシリじゃなくて?」
聖輝「はい!優誠くんって言って…ヤンキーですけど…明るくて僕に笑顔で話しかけてくれるんです…」
中野「まさか…あんな高校で友達なんて…」
聖輝「そっそれに!不良に絡まれた時に…助けてくれた人もいました!」
中野「えっ…?!」
聖輝「狛犬さんって言って…怖くて泣いていた僕を…ずっと慰めてくれました…」
中野「そんなことって…」
聖輝「だから僕…もう少しだけ……あの高校に通ってみたい……」
中野「聖輝くん……」
聖輝「……。」
中野「……やっぱり…涼野の息子なんだな…」
聖輝「えっ…?」