Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第16章 幼なじみ
〜♪♪♪
聖輝「?!」
櫻井「ハァ…ちょっとごめんね。」
ピッ
櫻井「もしもし、櫻井です。」
聖輝「……。」
もう少しで…キスされるところだった…
危なかったぁ……
櫻井「うん…うん、分かった、じゃあまた明日。」
聖輝「……。」
櫻井「ごめん、お待たせ。」
聖輝「今の電話って…会社関係者の方ですか?」
櫻井「うん、新しい企画の打ち合わせの確認。」
聖輝「わぁ…学生さんなのに大変ですね…」
櫻井「まぁね…俺が引き継いだ会社だから。」
聖輝「櫻井様って…ちゃんとお休みとれていますか?」
櫻井「とれてるよ、1日2時間は。」
聖輝「にっ2時間?」
櫻井「うん。」
聖輝「えっ…丸々1日お休みの日ってないんですか?」
櫻井「そうだね…ほとんどないかな。」
聖輝「そっそんな…身体大丈夫ですか?!」
櫻井「大丈夫だよ、だって…こうして聖子ちゃんに癒してもらってるから。」
聖輝「えっ…」
櫻井「俺にとっての休息は聖子ちゃんと一緒にいることだよ。」
聖輝「櫻井様…」
櫻井「聖子ちゃん…」
ギュッ
櫻井「これからも…ずっと俺のそばにいてくれる?」
聖輝「えっ?」
櫻井「恋人になってほしいって思うけど…それは聖子ちゃんの気持ちもあるから難しいよね。」
櫻井「でも…せめて…こうして聖子ちゃんと会える日は欲しい…俺のそばにいてほしい…」
聖輝「櫻井様…」
櫻井「聖子ちゃん…」
聖輝「…私も…櫻井様と一緒にいると…すごく安心します。」
櫻井「えっ?」
聖輝「最初はすごく緊張して…目を見ることも恥ずかしかったのですが…こうして一緒にいると…すごく楽しくて…安心感が生まれました。」
聖輝「櫻井様が私と一緒にいて、癒されるというなら…私…櫻井様のそばにいたいです…」
櫻井「聖子ちゃん…」
聖輝「……。」
櫻井「ありがとう…聖子ちゃん…」
聖輝「櫻井様……」
この日、僕は櫻井様と初めてキスをした。
櫻井様のキスは…とても優しかった。