Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第17章 死神2
両親の保険金と俺達に同情した親戚達がお金の免除をしてくれたおかげで、借金はなくなった。
しかし、俺達の心の傷は一生消えることはない…
姉貴は大学を辞め、スーパーで働き始めた。
俺も中卒で働こうとしたけど、姉貴に反対された。
でも、両親の死で勉強に手がつかへんかった俺は、第一志望を諦め、自ら望んで不良校であるさが高に進学した。
今後もしも姉貴の身に何かあった時に守れるように…
翠「亮!いい加減起きないと遅刻するで?!」
亮「っせぇなぁ…」
翠「はぁ?!高校生にもなって一人で起きられへんなんてだっさ!」
亮「あぁ?!起きれるわ!!」
翠「あっそう、じゃあ明日からは自分で起きて。」
亮「わっ分かったわ!」
翠「ほら、早く顔洗ってきーや。」
両親が亡くなってから、姉貴が家事をしてくれるようになった。
働きながら家のことも学校のこともしてくれている。
翠「あっウチ今日帰り遅くなるから。」
亮「また?最近残業多ない?」
翠「シフト変わってほしいって連絡があって…ごめん。」
亮「いや、別にええけど…」
翠「カレーあるから、晩はこれ食べて。」
亮「うん、分かった。」
最近姉貴の帰りが遅い。
週に3日は残業している。
本間に仕事なのか…
それとも……
翠「ほら、早よせな遅刻すんで!」
亮「うわっやべ!行ってきます!」
翠「いってらっしゃい。」
両親が亡くなってから、姉弟力合わせて何とか生活していけてる。
不自由なことはまだまだあるけど、俺はこれで十分やった。
幸せやった。
それやのに………