Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第19章 5syoku
聖輝「ハァ……」
「あの……」
聖輝「ハァ……」
「すいません……」
聖輝「ハァ……」
「すいません!!」
聖輝「ひゃあっ?!えっ?」
小山「こんにちは…」
聖輝「こっ小山さん!驚かさないでくださいよ!!」
小山「いっいや、さっきから声をかけていたのですが…」
聖輝「えっ?あっすっすみません!」
小山「いえ…何か悩んでるんですか?」
聖輝「あっ…はい…」
小山「そうですか…僕でよかったら聞きますけど…?」
聖輝「あの…死神って…知っていますか?」
小山「死神?それは…大きい鎌を持った黒い人のことですか?」
聖輝「あっいや、その死神じゃなくて…さが高の死神です。」
小山「さが高の死神……いえ…」
聖輝「あの…さが高の死神っていうのは…大安の日に不良狩りっていって…刃物を使って生徒達を切りつけている人のことなんですけど…」
小山「そうですか…」
聖輝「その人…表ではこんなことしてるんですけど…実はものすごく苦労している人で…」
聖輝「いろんなことがあって…家族を失っているんです…」
小山「家族を…ということは…孤児なんですか?」
聖輝「はい…」
小山「そうですか…この年で孤児なんて…寂しいですね…」
聖輝「そうですね…」
小山「それで…その死神さんが…どうしたんですか?」
聖輝「…僕…ゴールデンウイークに狛犬さん達と遊びに行くんですけど…死神さん…錦戸さんも一緒に遊びたいなって思ってて…」
聖輝「でも…狛犬さん達が錦戸さんのこと良く思ってなくて……」
小山「そうですか…その狛犬くん達と錦戸くんの仲を取り持ちたいということですか?」
聖輝「そう!そうです!狛犬さん達に錦戸さんのこと話そうとしたんですけど…聞く耳を持ってくれなくて…」
小山「そうですか…それって原因は分かってるんですか?」
聖輝「…狛犬さんが…錦戸さんに刺されて…入院したんです…」
小山「刺された…?」