Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第5章 さが高
聖輝「……。」
ここ…本当に体育館なの…?
聖輝「……。」
「何見てんだテメェ…?」
「あいつら後で殺す…!!」
聖輝「…!!」
体育館の中であちらこちらから殺気がする。
聖輝「…ハァ……」
『皆さん、静かにしてください!!』
聖輝「あっ……」
壇上に一人の男子生徒がマイクを通して全校生徒に話しかける。
「何だあいつ?」
「おいおい!俺らに命令すんじゃねぇよ!」
「調子乗ってると殺すぞ!!」
聖輝「ゔぅっ…」
僕の周りでは男子生徒に向かって野次の嵐が起こっていた。
優誠「おい、ルーキー。見ろよ。」
聖輝「えっ?」
優誠くんが指を指した方を見ると、上級生達が何も言わずただその場に立っていた。
優誠「おかしいよな?上級生が何も言わずにあいつの言うこと聞くなんて…」
聖輝「たっ確かに……」
『これから始業式を始めますので、静かにしてください!!』
「うるせぇ!!テメェが静かにしろや!!」
「ぶっ殺すぞ!!」
新入生は野次を飛ばしまくる。
「……。」
「テメェ…何か言えや!!!」
ビュンッ!!
一人の生徒がキレて自分の靴を壇上にいる生徒に向かって思いっきり投げた。
聖輝「あっ危ない…!!」
ガシッ
優誠「おっ!お見事…」
「……。」
「ふっふん!クツ取ったからって調子乗るなよ?!」
「おいおい!こんなことやっても時間の無駄だろうが!!」
「さっさと殺り合おうぜ!!」
聖輝「……。」
うるさいなぁ…ちょっとは静かにしてほしいな…
優誠「あーあ、あいつあとでボッコボコにされ」
ドンッ!!
『静かにしろって言ってんだろ!!!』
「「「「「「「……!!」」」」」」」
聖輝「えっ…?!」
壇上にいる生徒が突然そう叫んだ。