Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第20章 夏の思い出
狛犬「えっと…確か道はこっちのはず…」
聖輝「本当に着くんでしょうか…?」
狛犬「大丈夫大丈夫!一本道だから!」
聖輝「……。」
どうしよう…不安になってきた…
何か目印になるもの…
聖輝「……あっ…」
あの木の模様!
しっかり覚えておこう…
狛犬「涼野くん!ここ行けるみたいだよ。」
聖輝「えっ?!足元悪くないですか…?」
狛犬「まぁ…大丈夫!」
聖輝「ちょっ狛犬さん?!」
狛犬「よいしょっと…うん!大じょ」
ズルズル…
狛犬「うわぁっ?!」
聖輝「狛犬さん!!」
ドンッ!
狛犬「痛っ!!」
聖輝「狛犬さん!!大丈夫ですか?!」
狛犬「いてて…大丈夫…」
聖輝「狛犬さん…戻りませんか…?」
狛犬「でも…ここ通ったら山の頂上に着くよ?」
聖輝「でも…もしさっきみたいに滑ってケガして…取り返しのつかないことになったら…僕耐えられないです…!!」
狛犬「涼野くん…」
聖輝「お願いします!!戻ってきてください!!」
狛犬「…うん、分かった…ごめんね…」
聖輝「いえ…」
狛犬「いてて…帰ろっか。」
聖輝「はい。」
僕達は登山を諦め、元の場所へと戻った。