Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第20章 夏の思い出
聖輝「はぁ…」
楽しかったゴールデンウイークももうすぐ終わる。
聖輝「本当あっという間だったなぁ…」
〜♪♪♪
聖輝「あっ、忠義くんからだ。」
ピッ
聖輝「はい、もしもし。」
忠義『もしもし?聖輝くん元気ー?』
聖輝「うん!元気だよ。忠義くんはどう?」
忠義『俺も元気やで、熱海どう?』
聖輝「もぉ最高だよ!友達の別荘がシンデレラ城みたいに大きくてびっくりした!」
忠義『シンデレラ城?!何それ!!めっちゃ見たい!!』
聖輝「えへへっ、写真撮ってるからあとで送るね。」
忠義『うん!ありがとう!』
聖輝「あとはね、BBQもしたし、飯盒炊爨もしたし、山にも登って…あっ!お祭にも行ったんだ〜!」
忠義『へぇ〜!』
聖輝「あのね!別荘から花火が綺麗に見えたの!すごかったなぁ…」
忠義『別荘から?すごっ!!』
聖輝「今日はね、富士急アイランドに行っていっぱい絶叫アトラクション乗ったの!!」
忠義『富士急行ったん?ええなぁ〜!』
聖輝「もぉめちゃくちゃ楽しかった!」
忠義『おぉ〜めっちゃ充実してるやん!』
聖輝「うん!最高だった!」
忠義『そっかぁ…ええなぁ…』
聖輝「あっ…ごめんね…僕ばっかり話しちゃって……」
忠義『何で謝るんよ?俺聖輝くんの話好きやのに。』
聖輝「だって…忠義くん…」
忠義『俺に気遣うんやめて。』
聖輝「でも…」
忠義『気遣うならそんな話さんとってよ…』
聖輝「あっ、ごっごめんね!」
忠義『…そりゃあ俺だって悔しいよ?ゴールデンウイーク中も病室でおとなしくしとかなあかんし…』
忠義『辛いリハビリもやらなあかんし…何の楽しみもない。』
忠義『でも…だからこそ!外から聞く話が楽しみやねん。』
聖輝「外から聞く話…?」
忠義『そう、旅行に行ったとか、友達と遊んだとか…そういう話を聞くのが俺の唯一の楽しみやねん。』
忠義『だからさ、俺に遠慮せんと楽しかった話どんどん聞かせて?』
聖輝「忠義くん…」
忠義『あっ、今日は寝かせへんからな?』
聖輝「…うん!」
僕は忠義くんに熱海での思い出をたくさん話した。
朝集合した時から今の時間まで、永遠に話し続けた。
夜が明けるまで、ずっと忠義くんと話していた。