Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第23章 桜蘭2
〜聖輝side〜
優誠「そんな過去が……」
安田「東郷さんと会わへんかったら…僕一生女に遊ばれてた…」
聖輝「小さい頃から…苦労されていたんですね…」
安田「……。」
優誠「…なぁ…聞いてもいいか…?お前の母親のこと…」
安田「……死んだよ…」
聖輝「えっ…?」
安田「狂ったように病室を抜け出して窓から飛び降りたって…」
優誠「そっそうか……」
安田「…結局僕はお母さんを助けることはできひんかった…」
聖輝「そんな…安田さんのせいじゃないですよ…?」
安田「…いや、僕がもっとお母さんのそばにおったら…情緒不安定にならんかった…」
優誠「安田……」
安田「…ははっ…僕の事情他人にしゃべったん初めてやわ…」
聖輝「どうして僕達に教えてくれたんですか…?」
安田「何でやろね…きみらのことを信頼できる気がしたからかな。」
優誠「信頼…?」
安田「…初めて涼野くんを見かけた時…すごく魅力的やった…」
安田「さが高におるからやない…多分普通の学校におっても…誰よりも魅力的やったと思う…」
聖輝「そんな、僕なんて全然…」
安田「ううん、初めてしゃべった時…本間に優しくて…居心地がよくて…ずっとそばにおりたいって思った。」
優誠「お前…それって…」
安田「…僕の初恋。」
聖輝「えっ??!」
優誠「初恋って…お前組長とデキてるんじゃ…」
安田「東郷さんのことは好きやで?好きやけど…それは親としての好き。」
安田「僕をここまで育ててくれたから…親への愛情って感じかな。」
聖輝「親への愛情…」
優誠「でもさ、お前…ゲイって言われてるんじゃ…」
安田「男の人が好きっていうより…女の子が嫌いなだけ。」
安田「女の子と一切接触したくないから…それが意識されて自然と男の子にベタベタくっつくようになったんやろね。」
安田「僕自身、男の子と一緒におる方がめっちゃ落ち着くから…まぁ、ゲイって言われても仕方ないことやね。」
聖輝「そうだったんですか…」