Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第2章 はじまり
ピピピピ……
聖輝「んっ……」
スマホのアラームが部屋中に鳴り響く。
ピピピピ……ピッ
聖輝「……。」
お父さん…お母さん…
中学校卒業式の3日前、僕の両親は亡くなった。
原因は交通事故。
僕の卒業祝いのプレゼントを買いに夫婦でお出かけをしてた時に、猛スピードで走行してた飲酒運転の車が歩道に乗り込み、多くの歩行者を引きずり回した。
運悪く、僕の両親もその車の犠牲になった。
死因は多量出血。
救急車が到着した時にはもう既に息を引き取っていたようだ。
これから華やかな人生を歩む息子を残して…両親は消えた。
聖輝「…うっ…ゔぅ…!!」
毎晩両親が死んだ夢を見る。
死んだ両親の青白い顔、冷え切った身体、そして…生々しい傷。
それらが全て夢の中ではっきりと写し出される。
聖輝「どうして…どうして僕を残して逝っちゃったの…!!」
毎朝、悪夢を思い出しては涙を流す。
この気持ち…癒えることはないだろう。
聖輝「お父さん…!!お母さん…!!」
僕は1時間、ベッドから出ることができなかった。