トクベツ、な想い
第2章 2
「ん…」
どこ……?
白い天井…俺の部屋…のベッド…?
…あれ…スナックにいたんじゃ…
まだ頭の中が揺れている
周りを確認しようと頭を上げたところで
「…ったー…」
すぐにズキズキと頭痛が襲った
ゆっくり元あった位置に頭を戻し、また白い天井を見上げた
「っはー、最悪…飲み過ぎた…てか朝?」
痛みに歪んだ顔で窓から差し込む光を睨む
てことは飲み過ぎて…ぶっ倒れたんか、俺…
「んん…」
っ!!?
俺ではない声に体がビクッと跳ねた
あ″ぁっ…もう…
頭痛いのにやめてくれ…
てか誰だ
セミダブルのベッドで2人?
まさか酔ってお持ち帰りしたとか?
それか、お持ち帰りされたのか?
でも声は男だった…
なんとか痛みに耐えて声のした横を向いてみる
「え…松本くん…?」
なぜ?
なんで松本くんが…俺の部屋、かもしれないとこに?
ハテナが頭の中を埋め尽くす
こっちに体と顔を向けて熟睡している松本くん
俺の意識がなくなる前にも見たこの顔
なんだろう…なんでなんだろう…
目が離せなくなるのは…
横を向いたまま動けなくて、逸らせなくて
ただただ松本くんの顔を見ていた
少しして松本くんの瞼がゆっくり上がり、目が合った
「っ…!!あ、…おはようございます!
ぐ、あい…どうですか!?
昨日倒れられたんで…あのっ…」
「…っ…ちょ…っ待って俺今、頭…」
慌てて飛び起きて、あわあわとベッドを揺らしながら昨日の状況を話し出すので
その揺れにガンガンと響く頭を押さえた
とにかく落ち着いて話すように促すと
松本くんはさっきよりゆっくりした口調で
落ち着いて話し出した
「あ…すみません…
えーっと…昨日櫻井さん、僕を見てからテーブルに頭打ったんですけど…そこは覚えてますか?」
昨日のことを思い出そうとするが…全然覚えていない
「…ごめん
松本くんを見てたことは…覚えてるんだけど…」
頭を押さえている片手を額に持っていくと少し膨らみがあった