テキストサイズ

トクベツ、な想い

第2章 2






「あー…なんじゃこりゃ…」



たんこぶって…この歳で笑えない






松本くんによると昨日俺は

彼の顔を見てからすぐテーブルに頭を打ちつけ気を失ったらしい


俺の方を見てたお陰ですぐに駆けつけた松本くんが声を掛けたところ、起きたらしいんだが…覚えてない


それからトイレで何度も吐いて

心配した待田が送って帰ると言ったが
なぜか松本くんが送って帰ると言い

捕まえたタクシーに乗ると俺はすぐ寝てしまったため、家を聞き出せず自分ん家に連れてきたのだと




…ん?



「ここ…松本くん家?」


「はい」


「あれ…そっか…」



俺の部屋かと思ってた…

そうだよな、誰にも教えてないし
マンションとしか



「…ごめん、迷惑かけて
まさか松本くんに世話になるとは思わなかったけど」



頭が痛くならないようにゆっくり体を起こす

すかさず背中を支えてくれた



「大丈夫ですか?無理しないでください」


「ん、ありがと」


「…みなさん結婚してる人とかばっかりで
…本当は、待田さんに送ってもらった方が良かったのかもしれないんですけど…

今彼女と同棲してるっていうし、それじゃお互いに気を遣うかなって思って…」



………んん?



「………え?」


「え…?」



顔をしかめて松本くんを見る

それがなぜだか分かってない様子



俺も分かってない



待田に…何?


彼女?


同棲?




初耳だぞ、おい



「…それ…昨日聞いたの?」


「え」


「彼女と同棲って」


「は、はい」


「……ふーん」



なんだよ、それ…


なんで俺に言わねぇんだよ…


てっきり同士かと思ってて…バカみたいじゃん



「…はぁ…そうか、なるほど
ありがとう松本くん…ホント迷惑かけてごめんね
俺もう大丈夫だから帰るわ」


「え、でも」


「大丈夫、折角の休みにごめんね
情けないとこしか見せてなくて…申し訳ないけど」


「そんなこと…全然」



話しながらゆっくりとベッドからおりた


松本くんはクローゼットから俺のジャケットが掛かったハンガーを出し

俺は外してもらったそれを受けとる


ベッド脇に置いてあるカバンを自分のと確認して持つとすぐに寝室を出た


ストーリーメニュー

TOPTOPへ