テキストサイズ

トクベツ、な想い

第14章 14






やがて聞こえてきた寝息にそろっと目を移せばこちらを向くキレイな顔


世の中の女性の皆さん、すいません

こんな近くで俺が独占しちゃってます


でもあれだな…美人は3日で飽きるがブスは3日で慣れる、だっけ?

あの言葉は嘘だと思った

少なくとも潤にこの言葉は当てはまらない

何度見たって飽きない


人間中身って言うけど、もちろん潤の中身も好きだけど

この顔に引かれたのは紛れもない事実で

最初から、あの新年会の時から俺は…


iPhoneを置いて電気を消すと俺に貼りついて寝る潤を抱き締めた



「…好きだよ」



潤への想いが底無し沼みたいだ

嵌まったら最後抜けられない


ま、抜ける予定はないからいいんだけど…










ーん…唇になんか…



「…潤?」


「あ…起こしてごめん
今日俺、朝一の会議の準備しなきゃいけなくてさ
弁当テーブルに置いてあるから!じゃあね」



起きたばかりの俺の耳に話を詰め込んで…
スーツを着た潤が寝室を出ていった



「…あぁ…そうだったんだ…弁当、悪かったな」



聞いたことを徐々に飲み込んで状況を把握すると
んーと腕を天井に向かって伸ばしてから、iPhoneをつけた

まだ出勤には十分時間がある

もう少し寝るかと目を閉じかけた時、寝室のドアが開いた



「忘れ物っ」



慌てた様子の潤が入ってきて、俺の目は完全に開いてしまった

潤はテーブルランプの横に置いてあった腕時計を掴むと



「こっちも」



体を屈め、俺の唇を奪った



「ふふ、いってきます」


「……いってらっしゃい…」



ご機嫌な笑みを見せ、嵐のように寝室を出ていった

間を空けず玄関からもドアの締まった音がして…

今度こそ俺の部屋を出ていったようだ



「……もう1回したんだろ」



起きた時、潤の顔が近かった

きっとキスをしていたから…

枕に顔を埋めると耳まで熱い気がした



「不意打ちかよ…」



悶々として二度寝どころではなくなってしまった

落ち着かせるように起き上がってリビングに行くとテーブルには言っていた弁当箱があって



「今日早いって言ってくれれば別の日でも良かったのに…」



言ってる内に顔がニヤニヤと緩んでしまい

まだ早かったけど会社に行く準備を始めた


ストーリーメニュー

TOPTOPへ