トクベツ、な想い
第14章 14
あの兄妹がいなかったら俺達はずるずる気まずい関係のまま…もしかしたら破局してたのかもしれない
なんて思うと感謝しか湧かなくて…
御越さん、倫さんまたお店行きます
「「いただきます」」
先程作っていたのは御越さん考案のオムライスだった
路地裏の弁当屋とはひと味違う美味しさに2人で絶賛した
一気に食べ終え、今日は飲む予定で一緒にいるわけじゃないからと冷たいお茶を口に流し込んでいたら
「明日からお弁当作ろっか?」
「…へ、なんで?」
「翔くん1人だとコンビニばっかでしょ?体に良くないよ」
急な潤の提案にうーんと唸った
嬉しいけど潤だって働いてるし、あんな頑張って料理するとこ見ちゃったら…
「大変だろうし…いいよ…」
「変な気遣ってるでしょ」
バレバレかよ
でも単純に潤の負担にしたくないって思うわけで
「潤はいつも定食だっけ?」
「たまにね、味はまぁまぁだけど栄養バランスはいいと思ってるから
翔くん定食もあんまり食べないよね」
「んー…まぁ…」
「やっぱ作るよ」
やる気満々って、そんな顔されたら…断る方が悪いのかな
「じゃあ…たまにでいいから、お願い」
「分かった、明日試しに作ってみるね」
「…あ、弁当箱とかあったっけかな…」
「たぶんないでしょ
俺持ってるから朝作る時にとりに戻るよ」
「わりぃ…」
「俺がやるって言ったんだからいいんだよ」
にっこり笑顔につられて俺も顔が緩む
潤が新妻に見える…
間もなく時計の針が10時をさすという頃
ソファでテレビを見ていた潤がうとうとしだして
隣で携帯ニュースを見ていた俺の肩に頭が触れた
「眠い?」
「ん…」
「ベッド行くよ」
「ん…」
子供みたいな返事をして目を擦る潤の手を引っ張り、テレビと電気を消して寝室に入った
ベッドに潤を入れ、横に俺も入るとおやすみと挨拶を交わし
俺はそんなに眠くなかったからテーブルランプだけ点けて、眠気が来るまでiPhoneを適当にいじっていた