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トクベツ、な想い

第15章 15






誰だ?という顔をしていたら横から潤が



「俺が行ってた"バタフライ"ってオカマバーのママだよ
蓮くんの元上司…かな」



と、補足してくれた



「上司ってより同士ね」


「…あー!」



ビックリした2人が俺を見る


話してなかったな…


潤がいなくなった時にお世話になった、たぶんそのオカマバーと"アゲさん"という人のことを話した




「まさかそんなとこ行ってたなんて
蓮くんのとこにも来ようと…あー食べられなくて良かったー」


「…あんたが悪いんでしょ」


「すんません…」



俺と御越さんにしょんぼり頭を下げていた時、入口の扉がカランと音を立て開いた



「蓮ちゃ~ん」


「アゲさ~ん」



手を振り合いながら、派手派手な服の"アゲさん"が近付いてきた

ギリギリまで迫ってから目線が御越さんから俺達に移る



「あら~潤ちゃんとあの時のイケメンくん」


「お久しぶりです、すいませんお礼にも行かないで
…潤見付かってますんで」


「んふふ、見りゃ分かるわよ」


「アゲさん…お久しぶりです」



立ち上がり、深々頭を下げる潤



「良かったわ…」


「心配してもらったみたいで…すいませんでした」


「ふふ…もうあんなバカなことして周りを困らせちゃいけないわ、いい?」


「はい」



アゲさんは親のような眼差しを向けて微笑み、潤の頭をわしわし撫でていた

それに照れ臭そうに笑ってる姿を見て

あぁ…この人達に愛されてるんだなと

この光景に嫉妬なんかするはずもなくただほんわりとした空気に癒された



「そうなのよー今お客少なくてね~」


「一緒よ~」



御越さんとアゲさんは経営者としての難しい話をしていたので

お邪魔してはいけないかなって潤とこそこそ話し



「ご馳走様でした」



来た時よりは機嫌がマシな倫さんにお金を払った

話に夢中な2人に頭を下げ、店を出る


報告はできたし、偶然だったけどアゲさんに潤のこと言えたし


満足だった



帰ってる途中
あのラブホの前で誰もいないことを確認してからキスをした

初めてしたところだね、なんて話してたらお互いに我慢ができなくて…


でも外だから少しだけにして、後は部屋でって囁かれ中が疼いた



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