トクベツ、な想い
第18章 18
動転して疑問はいっぱい浮かんだけど、とりあえず昼休憩中で良かった
手を繋いでるこの状態を多くの社員に見られてなくて…
ちょっと人はいたけど、まぁ大丈夫だろう
「てか…ど、どこ行くの?」
部署はとっくに過ぎてるのに…
黙って男子トイレの個室に押し込められた
「じゅ…んっ」
狭いのに潤も入って後ろ手に鍵を掛けると、強引に唇が奪われた
最初から激しく舌が口内を暴れて、いきなりだったからうまく息ができない
「…ん…っんふ…はっ…」
両手は壁に押し付けられ抵抗もできない
誰かが入ってくるかもしれないのに…
そう思ってるはずなのに妙に興奮してしまう俺は変態なんだろうか…
「はぁ…」
「ん…はぁっはぁ…」
離れてくれてやっとまともに呼吸ができた
熱い視線が俺の顔をまじまじと見て両手の拘束を解く
潤の親指が唾液で濡れた俺の唇をなぞると
「…今日…俺の部屋きて…」
小さな声で囁かれ…首を縦に降ろした
安心したように笑って潤は個室を出ていった
「……アメイジング…」
どうなってんだ…ホント…
夢?潤に会いたいと思ってたから…
「いや…これは本物だ…」
自分の股間の膨らみを見て赤面した
やや興奮気味に仕事を終え、言われた通り部屋に向かった
帰ってきてるのか、残業か…聞いてなかったな
おもむろにキーケースから合鍵を取り出してドアを開けると中は明るかった
「…帰ってる…」
でも潤がいない…
中に入ってラグにカバンを置くとシャーっと音が聞こえてきた
風呂入ってんのか…
納得してソファに腰掛け、部屋を見渡した
また来れるなんて…大袈裟かもしれないけど
もうそれぐらい覚悟を決めてた
結局…潤に守られたな…
iPhoneをいじり出した時、ドアの開く音がした
上がったか?と適当に見ていたニュースのアプリを閉じていたら、タオルを腰に巻いた潤が早足で近付いてきた
「あ…ちょっ…」
髪も体もびしょびしょで俺に抱きつく潤
「翔くん…」
「う、うん…」
「良かった…」
肩が少し震えてる…
滴る水分がワイシャツに染みて、どんどん濡れていくけど、そんなのどうだっていいと潤の背中に腕を回した