トクベツ、な想い
第21章 エピソード潤
ー19話.202ページ~
タクシーを降りた後
いつもより少し多い荷物を持って、エレベーターに2人で乗り込んだ
新年会の感想とか待田さんの話とか
もっとたくさん話したかったけど
2階なんてあっという間
開いた扉から、同じくらい多い荷物を肩からぶら下げた翔くんが降りていく
俺も後に続いて降りた
「あ、途中で食材買ってくりゃ良かったな」
俺にあちゃーっという顔を向けて
でもすぐに笑顔にかわる
「後で一緒に行く?」
問い掛ける姿は歳上に見えない程、俺の瞳には可愛く映る
それに未だドキドキするんだ
あの頃から変わってないって分かる俺の想い
本当は誕生日って…だけど
「じゃ、翔くん」
「え?」
「帰るね」
「ちょ…」
片手をひらひら振って3階へ続く階段を上っていった
途中、上からこっそり下を確認してみると
ドアノブに鍵を差し込む、哀愁を漂わせた背中が見えた
準備してくるだけだよ
待ってて…
自分の部屋に入り、棚に置いてあった"誓い"の箱を手に取る
後は気持ちの準備
何度も息を吐いて、伝えている自分を想像した
なるべくビシッと…男らしく…不安にさせないように
「…いざとなったら、怖いな…」
緊張に震える手からは汗が滲み出て、唇も震えて
ダメだ…考えてたら明日になっちゃいそうだ
感じるままに言えばいい
素直な気持ちをぶつければいい
…でもやっぱカッコよくは決めたいな
そんなこんなですぐに行くはずが
だいぶ時間が経っちゃって…
「ぅわ…時間かけすぎっ」
慌てて部屋を飛び出した
翔くんの部屋のドア…息をふぅっと吐きだして合鍵を差し込んだ
明るく、明るく…
「翔くん上がるよー」
タクシーを降りた後
いつもより少し多い荷物を持って、エレベーターに2人で乗り込んだ
新年会の感想とか待田さんの話とか
もっとたくさん話したかったけど
2階なんてあっという間
開いた扉から、同じくらい多い荷物を肩からぶら下げた翔くんが降りていく
俺も後に続いて降りた
「あ、途中で食材買ってくりゃ良かったな」
俺にあちゃーっという顔を向けて
でもすぐに笑顔にかわる
「後で一緒に行く?」
問い掛ける姿は歳上に見えない程、俺の瞳には可愛く映る
それに未だドキドキするんだ
あの頃から変わってないって分かる俺の想い
本当は誕生日って…だけど
「じゃ、翔くん」
「え?」
「帰るね」
「ちょ…」
片手をひらひら振って3階へ続く階段を上っていった
途中、上からこっそり下を確認してみると
ドアノブに鍵を差し込む、哀愁を漂わせた背中が見えた
準備してくるだけだよ
待ってて…
自分の部屋に入り、棚に置いてあった"誓い"の箱を手に取る
後は気持ちの準備
何度も息を吐いて、伝えている自分を想像した
なるべくビシッと…男らしく…不安にさせないように
「…いざとなったら、怖いな…」
緊張に震える手からは汗が滲み出て、唇も震えて
ダメだ…考えてたら明日になっちゃいそうだ
感じるままに言えばいい
素直な気持ちをぶつければいい
…でもやっぱカッコよくは決めたいな
そんなこんなですぐに行くはずが
だいぶ時間が経っちゃって…
「ぅわ…時間かけすぎっ」
慌てて部屋を飛び出した
翔くんの部屋のドア…息をふぅっと吐きだして合鍵を差し込んだ
明るく、明るく…
「翔くん上がるよー」