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トクベツ、な想い

第6章 6






なんて言えば…ここでみゆちゃんを持ってくる意味が…


…ん?

もしかしてこれが理由なのか…?



潤はみゆちゃんが好き…?



あれ、そう考えると…


俺が彼女のことを話した時、相談した時

潤の表情は変わった


そして2人で食事に行った以降から俺を避けだした…



そういうことなのか…?

俺のこと…ライバルだと思ってる?



「…安藤さんのこと、好きなの?」


「は?」


「だってそう考えればつじつまが…
叶わないって言ってた潤の言葉も…当てはまるっていうか…

避けてるのも俺に気を遣って引き下がろうと…それか、その逆で俺を恨ん…」


「何言って…そんなわけないじゃん俺はっ…」



何か言い掛けて止まった

苦しい顔をしながら口を結んでいる


…俺は…何?

何度もそう聞いたが
顔を逸らされたまま帰ろうと動き出すので
掴んでいる腕に一層力を込めた



「…痛い…」


「答えてくれよ…」


「……違う、安藤さんをそういう風に思ったことはない…」


「じゃあなんで…」


「言えない」


「なんで」


「言えないよ」


「なんでだよ」


「言えない」


「言えよ!」


「言わない!!」



ヒートアップしてしまった言い合いに
お互いはぁはぁと荒い息を漏らす

マスクの中でぐっと唇を噛むと腕から手を離し、俺は頭の先端まで布団を被った



「いいよ…もう」



相手に聞こえてるかも分からない布団の中で
それだけ呟いた



「…翔くん…」



布団を通して小さく声が聞こえた

それをまた籠った声で返す



「分かったから…」


「…ごめん…」



遠ざかる足音

玄関のドアを閉める音が聞こえた



俺はそのままじっとして頭の中を必死に整理した










―結局治りかけていた風邪は

昨日の夜に色々考えてしまったせいでまた熱が上がり…

やむを得ず、今日も会社を休むことにした


昨日よりは酷くなかったので少し寝てから体を起こし

咳も治まってきたのでマスクを外して寝室を出る

キッチンでどうせ何も入っていない冷蔵庫を開けた


しかし目の前には前食べたオムライスのパックと、昨日潤が作ってくれたお粥の残りがタッパに入って置いてあった

飲み物のところには2Lの清涼飲料水とお茶が入っている

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