トクベツ、な想い
第7章 7
会社の準備をし出す時間に起床した
体温計を脇に挟んでじっとする
計り終わった数字を見て、よしと起き上がると準備を始めた
熱があった為やめていたシャワーを真っ先に浴びに行く
服を着替えたり、体を拭いたりしていたけど
やっぱりこっちの方が断然気持ち良い
上がってから身だしなみをパパっと整え、部屋を出て会社に向かった
―いつもよりは遅く会社に着くと
待田や部長が心配そうに寄ってきた
「大丈夫か?」
「熱も下がったし大丈夫です、お騒がせしました」
「良かったなー
今インフルエンザ流行ってるみたいだから気を付けろよ?」
「サンキュ、お前もな」
待田とのやり取りが終わって次はみゆちゃんが駆け寄ってきた
「もう本当に大丈夫なんですか?」
「うん、ごめんね…ありがとう」
少し話して顔を赤らめながらデスクに戻っていった
始業の合図と共に遅れてしまった仕事を開始する
―昼になって待田に先食べるよう促すと食堂で潤を探した
「あれ、食堂来ないんかな…それか来てないのか…」
アプリ担当のEA部の男性社員が数人溜まっている席に近寄り、声を掛けてみた
「あの…松本くんって食堂に来てませんか?」
「へ…あ、昨日から来てないっすよ
たぶん風邪かな…」
「あ、そうですか…ありがとうございます」
気をつけてはいたがやはり移してしまったか…
お詫びとお礼と…今度は俺が看病をとコンビニで必要なものを買って仕事が終わった後、潤の部屋へ向かった
―潤の部屋のインターホンを押すが出て来ない
聞こえないはずないよな…
電話もメールも反応はない
一昨日のこともあるから
モニターを見て俺かとまた避けられているのかもしれない
鍵が開かないならどうしようもなかった
買ってきたものが入った袋をドアノブに掛け
今日は諦めて帰ることにした
買い物袋のことも一応メールしたから
気付けば袋ぐらい中に入れるだろう
そう思っていた