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自分でもなんでこんなことを言ってるのか分からなかった


こんなにも執拗に離れて欲しくないと思ってしまっている


理由なんて…俺が1番知りたい…



「…俺のことより…安藤さんの返事のこと考えなよ…」


「え…」


「…告白の返事だよ」


「…あ………あー……
………最近潤のことばっかで……忘れてた…」



いつの間にか潤で埋め尽くされていて

返事のことなんて全く…



「…………っふ……ひど…」



俺のまぬけな返答に潤から小さく笑い声が聞こえた

その内、背中全体が大きく揺れて笑い声も少しずつ大きくなっていった



「はははっ…はは、…
…あーもう、あんなに悩んで苦しんでたのに
…こんなに簡単に満たされちゃって…どうでも良くなっちゃったじゃん…」



そんなにおかしかった…か？

でも笑い声を聞けてなんだか少し安心した



「……ごめん、不謹慎だけど…
ちょっと嬉しかった…安藤さんよりも
俺が翔くんの頭の中にいるんだって思って…」


「………結構前から…安藤さんへの気持ち、薄れてんだよ…」


「……うそ…」


「お前が避けるから…話せなかったんじゃん…」



潤がゆっくりこちらを向いた

乱れた状態だった髪をそっと前髪だけ整えて唖然とした表情をしていた



「…好きじゃないの？」


「んー…」


「……本当に？」


「…よく…分かんない」


「…翔くんそればっかだね」


「しょうがねぇだろ…分かんねぇもんは分かんねぇのっ」



分かんなくしてるのは…
俺の中の"何か"っていうのはなんとなく理解してるんだけど…

たまにちらついて見えそうで見えない

正体が未だに掴めないんだ


眉間に皺を寄せ、後頭部をポリポリ掻く



「………ねぇ…翔くん…」


「ん…？」


「…俺と…離れたくない…？」


「……うん」


「そっか…」


「…何…」


「………………好きだよ……」



間を置いてからの突然のちゃんとした告白

そのキレイな顔に、声に、真っ直ぐな瞳に
心の準備も何もしていなかった俺には破壊力が半端なくて


心臓が胸から出るんじゃないかというほど鼓動が高鳴った

瞳が激しく揺れる



「な…なんで、俺なんか……」


「…なんでだろうねー…」