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トクベツ、な想い

第8章 8









潤が俺に想いを寄せていることが発覚し

それと同時に自分の気持ちにも気づいた気がする昨日


俺は朝から動揺していた


起き上がってすぐリビングに行こうとしてドアに足の指をぶつけ


シャワーを浴びたあとバスタオルだと思って体を拭いていたら、実はフェイスタオルだったとか


タンクトップの上からジャケットを羽織ったりも…


今はちょうどコンビニに寄るのを忘れて通り過ぎたとこ



「はぁ…昼飯…今戻ったら会社に遅れるし…
何やってんだ俺、いつも行ってるくせに」



惜しむ気持ちを堪えて会社に向かい歩いていた


定食でいいや…


…そういえばまだオムライスとかのお礼言ってないな…

昨日は色々ありすぎて言うタイミングなんてなかったよな…


今日直接…


そう思っているとドキドキと心臓が動いた



「嘘だろ…こんなちょっと思い浮かべただけで…」



おかしい…俺…










―いつもの時間に会社に着いた



「うぃーっす」


「おう、あれ…今日コンビニ寄ってねぇの?」


「う…うん、今日は定食にしようと思って」


「めっずらしいー」


「いいだろ」



袋を持っていない俺を不思議そうに見つめる待田

俺も少し見つめてみた



「…な、何よ」


「いや…」



…やっぱドキドキしないよな…


同じようなことを後からきた数人の男性社員にやってみたが
変な目で見られて心がちょっと傷付いただけだった


潤にだけ…か…



「おはようございます」


「あ、おはよう…」


「…どうかしました?」


「いや、別に…」



どうかしてるかも…

みゆちゃんにもそれほどドキドキしない

俺の心臓…仕事しろよ…



「お前どうしたの?」


「へ?」


「今日変だぞ」


「…大丈夫だよ」


「だって今座ってるそこ、俺のデスクなんだけど」


「え!?あ…わりぃ」



はははと立ち上がり自分のデスクの椅子に座る


もう…ホントしっかりしろ、俺…










―休憩に入るとすぐにEA部に向かった

中をそっと覗き込む



「…あ、いた」



俺の視線の先に潤がいた

来てることに安心して戻ろうと足を進ませる



「待って!」



呼ばれた方向に振り向く

潤がこちらに走ってきていた


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