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トクベツ、な想い

第8章 8







本音を言うと


みゆちゃんの告白を断ったらきっと潤への想いだけが残って…

つまりそれは俺が男を好きって認めることになって…


この気持ちに嘘はないと思うんだけど…


世間一般に考えるとそれはおかしいって

叩かれることに…批判されることに
怖じ気付いてしまっている



「やっぱり身分の差?」


「え……あー…それも…あるな」



氷の入ったグラスに焼酎を入れ、俺の前に差し出してくれた

潤は本気で俺とみゆちゃんを応援して
こういうことを言ってくれてるのかな…



「潤は?」


「…へ?」


「なんか前に可愛い子入ったって言ってなかった?」


「あー最近入った…
そんなんじゃないですよ、可愛いって…言っただけで」


「ふーん…」



俺が好きだと言った潤

てっきり男が好きなんだと思っていたら
すげー怒られた

恋愛対象はもちろん女の子で
…なぜか俺は男だけど対象に入ってるらしい

最初はかなり戸惑ったって聞いた
男に友情以外の感情を持ってしまって


でも俺とは友人関係になったから
またちゃんと女の子と向き合うって探してるみたい

潤だって男同士が白い目で見られることを分かっているから…



まだ俺の頭では好きだって言えるレベルじゃないけど、心が騒ぐ


見付かって欲しくないのが…正直なところ


応援しきれない…



「…焼酎、進んでますね
もう11時ですけど…帰れますか?」



ハッとして焼酎の一升瓶を見る
外から透ける液体はもう半分程になっていた


しまった…
グラス一杯で止めておこうと思ったのに…


自覚すればさっきのビールも効いてちょっと頭がクラクラしてきた



「歩けますか?」


「…んー足に力入んねぇ…」


「もう…前もそうだったじゃないですか…」


「…すまん」



もうホント迷惑掛けるおっさんで…



「…明日休みだし、ちょっと寝ます?
その方がお酒少し抜けて帰りやすいと思うし…起こしますね」


「ん…サンキュ」



やっぱり泊めるとは言わないんだな


ぼんやりと思いながら

ソファに座ったまま背もたれに体を預け
目を瞑った


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