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家政婦の水戸

第10章 水戸さん、プロレスを見る

 騎士のマゴ勇が、静かに転がりながらリングイン。


 そうでもしないと、入れないもんな。 


 ただ、起こしてもらわないと、一人では起きれないようだ。


 試合前に、レフェリーがボディチェックをするが、竹刀と剣はOKなんだな。


 さて、どんな試合になるのやら……。


 いよいよ、ゴングが鳴らされる。


『……ゴォ〜〜ン』 


 除夜!?


 寺の鐘だよな、あれ。


 試合によって、ゴングの音が違うのか?


 まあ、試合が始まったから良しとするか。


 お互いに剣を構える。一人は竹刀、一人は鋼の剣。ハンディキャップあるだろうよ。


 あの西洋の甲冑に、竹刀が通用するか?


 だが、試合は意外な方向ではじまった。


 剣道のサバソメ高橋が、竹刀を捨て、マゴ勇に飛び蹴りを入れた。


 いや、剣の心得はどうなった!?


 マゴ勇はよろめきながら、背中から電流が流れる有刺鉄線に突っ込んだ。


『バリバリバリバリパーンパーンパーングワッシャーン!!』


 電流が飛び、爆弾が弾け、ガラスが降る。


 いや、これを第一試合で、あの二人にさせるつもりだったのか?


 あれは、死ぬだろ。



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