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家政婦の水戸

第10章 水戸さん、プロレスを見る

 すると、様々なリングコスチュームを着た、若い女性達が、ゾロゾロと入場してきた。


 中には、覆面をしている子もいる。


 いったい何人来るんだ?


 リング上は、女子の満員電車のようになっている。


 中央にいるはずの、リングアナが、まるで見えない。


「ただいまより、48人タッグマッチ、60分一本勝負を始めます」


 無駄に多い!!


 いや、もっと人数を分けて試合させろよ。


 こんなのバトルロイヤルじゃねえか。


 さすがに、水戸さんも呆れているだろう。


 チラッと見た。


 いつ買ってきたのかわからない、プロレス団体のロゴが入ったTシャツを着ている。


 結構、ハマってるんじゃないか?


 まあ、初めて見たとなれば興奮するのかもしれないが、これがプロレスなんだと俺は言えない。


 とんだ、カス団体に来てしまったよ。


 俺の12000円を返せ。


 リングに目を向ける。


 エプロンサイドにぐるりと選手が、ロープの外にぎゅうぎゅうに立っている。


 女子レスラーの背中しか見えねえ。


 いやいや、バランス考えてくれよ。



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