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家政婦の水戸

第10章 水戸さん、プロレスを見る

『ビーーッ! ビーーッ! ビーーッ! ビーーッ!』


 突然、けたたましくブザーが鳴り響いた。


 なんのブザーだ?


 どう聞いても、前からしか聞こえてこないんですけど……。


『エネルギーチャージ完了。発射シマス。10……9……』


 女子レスラー達は、なにを見ているのだろう?


 表情を強張らせ、少しずつ後ろに下がっていく。


『……5……4……3……2……1』


 俺は他人のフリをして、会場から出ていった。


『0』と聞こえた後、バフッという音と共に、悪臭が漂い、会場内がパニックになった……ようだ。


 もう、試合はいい。12000円は損をしたが、この先の展開を想像したくはないため、黙って帰ることにした。


 気のせいだろうか?


 奇妙なバイクに乗った、ピンクの覆面おばさんが走っていったような気がするが……。






 翌日……。


 朝のスポーツ新聞に記事が載った。


【交野プロレスの女子レスラーが、旧日本プロレスで乱闘】


‘水戸フラワーマスクと、スーパー桜餅マシーンが吠える。「私達は行ってないし、胸を開けて臭い液なんて、撒き散らしていない!!」’



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