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家政婦の水戸

第3章 水戸さんのお留守番

「私、お昼なにか買ってくるよ。水戸さん、なにがいい?」


『あ、それだったら、私がいきます。紗知様に、そんな……』


「いいよぉ、水戸さん。たまにはゆっくりしなよ」


 紗知は水戸さんの腕をキュッと掴む。


 肌には弾力がなく、冷たい。


「えっ!? 水戸さん、冷え性?」


『私は体質上、体温がないのです。ですが、山野様の家事のお手伝いには、なんのさしつかえもございませんので……』


「そうなんだ」


 この二人だと、このような会話の流れになっているが、実際はこうである。


「私、お昼なにか買ってくるよ。水戸さん、なにがいい?」


『ぬ゙はま'ぶうる゚ぇ』


「いいよぉ、水戸さん。たまにはゆっくりしなよ……えっ!? 水戸さん、冷え性?」


『りに゙わ゚さい~』


「そうなんだ。」


 水戸さんは、ここでは食事をすることはしないということだったので、紗知は一人で買い物に行くことにした。


 ここから、再び二人の世界に戻します。


『紗知様、欲しいものがございましたら、私が出掛けますが……』


「大丈夫。私も外の空気吸いたいから。じゃ、行ってきます。留守番よろしくね」



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