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家政婦の水戸

第1章 家政婦、その名は水戸奈津子

 なにが来たんだ?


 あまり聞かないよね「ものすごいのが、来た」ってのは。


 宅配かなんかか?


「お父さん、家政婦さんだよ」


 そうか……いや、家政婦で、すごいって、なにさ?


 まさか、ものすごく太ってる?


 なにデラックスが来た?


 この辺りの想像で、新しい家内という方の道は、崖崩れとなった。


 いや、待てよ……すごいと言わせるほどの、巨乳が来たならどうよ。


 しかも美人……。


 よし、橋がかけられた。


 早くこいこい、巨乳の美人。


『カチャ』


 リビング横のドアが開いた。


 先に入ってきたのは、紗知だった。


「おう、紗知。ご苦労さん、どんな人だった?」


 紗知は腕を組んで考えた。


「一言で表すなら……グール」


 最もわかりにくい一言だと思いますが……。


「あ、来たよ」と紗知が指を差した。


 ゆっくりとその人は入ってきた。


 私は舐めるように、足元から見ていった。


 ほう、うっすらと柄の入った黒いストッキング。


 白いタイトスカートに、水色のブラウス。


 首筋は赤く血に汚れ、肌が紫に変色している。



 なんだこいつ!!




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