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家政婦の水戸

第1章 家政婦、その名は水戸奈津子

 髪はサラッと、トリートメントが行き届いた艶のあるロングヘアーて、ビジュアルのバランス、折れ線グラフで表したら、急に下がって急に上がったよ。


 生きてるのか? とりあえず話かけてみるか……。


「あの……私、ここの主の山野羊と申します。家政婦ですよね」


『え゚ゅ』


 なんて言った?


 てか、さっきからこいつはどこを見ている?


 目の焦点がまったく合ってない。


 やたらと香水臭い。まるで、デパートの1階だ。


「お父さん、この人、家政婦だよね?」と紗知が、聞いた。


「いや、家政婦なのか、クリーチャーなのか、今一つハッキリしないのだが、お前もよく上がらせたな」


「だって、これをもらった」


 紗知が出したのは、1枚の名刺だ。


『栗壱屋家政婦紹介所 専属 水戸奈津子』


 ここのマークがビーカーに入った眼球に見えるのは、いかがなものかと……会社名、栗壱屋てクリーチャーって、読めない?


 強引? 気のせい?





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