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　平日の午後３時。


　水戸さんは、庭のお手入れ中。


　それほど広い庭ではないが、花壇があり、水戸さんは雑草を抜いていた。


　紗知は水戸さんが抜いた雑草を、ビニール袋につめていた。


『ぶぃﾞ』


「いいよぉ、だって暇だし、水戸さんこれから夕食の買い物でしょ。ちょっとは手伝うよ」


『ぶぃﾞる'』


　水戸さんは頭を下げる。


　紗知はしきりに宙を手ではらう。


「んもぅ、ここんとこハエが多い……そこの花壇で野良猫がウンチするから、ハエがよってくるし」


　原因は猫のウンチだけではない。


　水戸さんは、なにかを思い付いたのか、手をパチンと叩くつもりが、空振りした。


『のﾟきんﾞちﾟょーるﾟ？』


「えっ？　殺虫剤？　あるよ」


　紗知は殺虫剤を取りに行き、水戸さんは、洗面所に向かった。


　そして、石鹸で顔を洗うと、また庭に出てきた。


　紗知は水戸さんを見て、プチびっくりした。


「えっ!?　水戸さん、化粧を落としてきた？　怖いくらいのスッピンだよ」


　水戸さんは庭の真ん中で仁王立ち。


　わずか、１分後。


　水戸さんの顔は、大量のハエに覆いつくされた。


　その上から、手探りで掴んだビニール袋をかぶせた。


『Ｇﾟｏﾞ！』　


「えっ!?　いいの？」