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　袋の下から噴射口を向け、ハエで真っ黒になった水戸さんの顔をめがけ、一気に殺虫剤を噴射した。


　突然の大気汚染にあわてふためく無数のハエ。


　さらに噴射を続ける紗知。


　微動だにしない水戸さん。


　何匹か、袋の口からボトボトと落ち、苦しんでいるのか、ビビビと音をたてながら地面で回っている。


　水戸さんは袋の口を閉めた。


見た目には袋を被った女が、自分で自分の首を絞めているように見える。


　数分後。頭を下に向け、ビニール袋をはずすと、底には息絶えたハエが溜まっていた。


「水戸さん、大丈夫？」


　今度は口の中に直接、殺虫剤を噴射させ、口を閉じた。


　すると、水戸さんの鼻から、５匹のハエが飛び出して落ちてきた。


「水戸さん……凄い……、でも、衛生上、お風呂に行って来た方がいいかも……」と、ややドン引き気味に、紗知は言った。


『まﾟ』