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家政婦の水戸

第7章 郷東さん

 俺は、逃走中の指名手配犯、郷東洋義(ごうとうひろよし)だ。


 暴行殺人、窃盗、強姦、、恐喝、器物損壊、猥褻物陳列、詐欺、放火、轢き逃げ、その他、やっていない犯罪は無いんじゃないだろうか?


 あのイスラム国も黙る極悪非道の俺が、思わず恐怖におののいてしまった相手がいる。


 ある家にいた気色の悪い女だ。


 両手を前に上げたまま、のびのびと背伸びの運動をせず、そのまま寄ってきて、ほどよいゆるさで、ハムハムしてきやがった。


 壇蜜のような女ならまだ許せるが、あれは頂けない。


 胃腸と歯茎が悪いのか、物凄く不快な匂いもしてきたし……。


 この町内にいることはわかったが、どこにいたのか覚えていない。


 見付けたら、ぶち殺して、解体して海に捨ててやる。


 この辺りをうろつけば、出会えると思っていたが……。


 もう、手持ちの金もない。


 またどこかの社長の首を絞めて、財布を奪うか。


 やつらは金持ちだから、財布の1つや2つやられても、痛くも痒くもねえだろ。


 言うこと聞かなきゃ、あの世に行ってもらうだけよ。



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