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家政婦の水戸

第7章 郷東さん

 この辺りは、凄く見覚えがある。


 近い……近いぞ。


 あの化け物女、絶対にこの辺りの家だ。


 しかし、家が特定できない。


 ん……?


 ん……んん!?


 なにか匂う。


 どこかで嗅いだ覚えのある、悪臭。


 まさか、これは……。


 間違いない。いる。


 絶対にいる。俺は懐に入れた肉切り包丁を確かめた。


 扱いに気を付けて出さないと、乳首を切ってしまいそうだ。


 素肌の上に長T着て、そこに包丁だからな……時折、肌につくとヒンヤリしてくるし、刃が乳首に触れるとヒヤリとする。


 ひょっとしたら、今日で、俺の乳首は2つとも失ってしまうのではないか?


 いや、かまわない。


 やつをぶち殺せるなら、俺の乳首の2つや3つぐらい、無くなってもかまわん。


 さあ……出てこい化け物。


 てめえを生きたまま肉塊にしてやっからよ。


 ……


 あれは?


 曲がり角に影……。


 あの動きは、間違いない。



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