ねぇってば
第8章 悪
連絡先聞こうと決めたのになかなか会えなかった
テレビ局が違かったり、
仕事中でいなかったり
そんな日々があまりにも続いたものだから
聞こえてきたノック音は
しゅうかちゃんによるものだと思った
俺はドアの前で何も言わないその人に
どうぞ、と言った
入ってきたのはしゅうかちゃんではなかった
「おぉ久しぶりじゃん」
「大野さん、今日話があって」
龍臣。
5.6年前くらいに一緒にドラマをとった子だった
あれからずいぶん経って俺よりも高くなった背
ずっと大人になっていて少し驚いた
「珍しいね、座って」
龍臣がこうやって楽屋に訪れてくるのは
はじめてに近い