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ねぇってば

第9章 存在


「さとしー、もぉー起きてーーー」


耳元で聞こえる
大好きな人の声







「おはよう、らいる」



「おはよ、さとし」





「んふふ」





「あぁー、またー?」






「うん、あの時の夢」






「あっ」

ぎゅっと抱きしめた時に出すこの声も

ほのかに香る香水の匂いも










「らいる 大好きだよ」




「うん らいもさとしのこと好きだよ」



「絶対幸せにするから」


















「もう充分に幸せだよ」






「だめ、もっともっともっと」













「変なの」





「あぁ、俺は変だよ





じゃあ行こっか」










「うん」











俺はあの日からずっとずっとおじさんになった
彼女は俺よりは全然若いけどもうおばさんだ






















「らいる」


「さとし」












「「愛してるよ」」














ふたり手をつないで
深い深い海の中へ身を放り出した


























【1人になんてしないから】 …end
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