
君は僕の本当を知らない
第1章 過去と困惑
そんなこんなで学校などの他人のみえるところでは異性を好きになる。
といういわゆる普通の恋愛はそうしようとしている割には実る事がなく、どうにか男に反応しないよう、孤立するように日々をすごしてきたが、最近面倒くさい友人ができてしまった。
小松凪。
二年に上がって同じクラスとなり、出席番号が前後であることから隣の席となった。
こいつが面倒くさい。
俺は関わらないようにしているのに、何かにつけて話しかけてくる。
どうしろと言うんだ。
ただ救いなのは、小松凪が俺の好きなタイプでないということだけだ。
俺が好きなのは、小松凪のような可愛い系ではなく綺麗系だ。
とはいえ小松凪の俺への関わり方は少々難がある。
普段の授業ではよく教科書を間違えるという愚かな事をし、そのために隣の席である俺が見せる羽目になるのだが、小松凪の距離が近いのだ。
無駄に!
その上数学などの理系科目だと質問までしてくる。
俺は静かに授業を受けたいんだよ…!
そのほかにも体育で無駄にパスしてくるとか、もうとりあえず、めんどくさい。
俺がこんなにも小松凪の接触のしかたに対して文句を言うのかというのは、今朝見た夢に出てきた男に原因がある。
1つ上の、ホモがキモいと言い放った男は、俺との距離が近く、よく体を触ってくる、エロい話もよく振ってくる、など、最後の1つ以外は小松凪とそっくりだった。
顔や声、仕草は全然違うがどうしても今までで一番好きだった人と小松凪がどうしても、かぶる。
それは俺にとって嫌な記憶を思い出させるものだったが、それと同時に楽しかった、軽蔑される前の時間も思い出させるものであった。
