先生、好きです。
第3章 告白
「中西さん…だっけ…?」
帰り支度をしながらさり気なく話し掛けた。
たまたま隣の席だったのもあって、名前だけは知っていた。
彼女は僕同様にしていた支度の手を止め、答えた。
「うん。中西香。……初めてだね、喋ったの。」
「あー…そういえば、話したことなかったね。」
そこで会話は途切れ、長い沈黙が訪れた。
黙々と帰り支度をする僕と、何故か僕の顔を凝視する彼女。
……何で僕は色々な人にガン見されるのだろう…。
「………何?」
気になるし、やめて欲しい。
そう思い、敢えて素っ気なく聞いた。
すると彼女は顔を真っ赤にして目を泳がせた。
「べッ…別にッ……何もないッ…。」
「………そ。」