先生、好きです。
第4章 先生、
「男…?」
天知君の言葉が頭の中でリピートされ、ドクンと心臓が跳ねた。
「………。」
長い沈黙。
天知君は、俺の体に回した手をぎゅっとしめた。
はっ、と我に返り、慌てて天知君の腕を解こうとした。
"先生"と"生徒"が、学校の廊下で抱き合っている所なんて、誰かに見られたら本当に大変だ。
「天知君、と…取り敢えず離れよう?」
天知君の茶色く、ふわふわしたくせっ毛をくしゃりと軽く触ると、肩をびくっと震わせた。
「ほら、誰かに見られちゃうから…ね?」
その肩をぽんぽんと叩くと、腰に巻き付いていた腕が離れた。