先生、好きです。
第4章 先生、
「天知君……、」
腕を解いても、まだ俺の胸に頭を擡げたままの天知君。
「顔、上げて?」
一瞬俺の胸にぐっと力をかけてから、素直に顔を上げた。
その顔は、外の夕日に負けない程真っ赤に染まっていた。
「あ…まち君…?」
肩をふるふると震わせ、目を潤ませている。
こんな顔の天知君、初めて見た…。
今にも涙が零れそうな瞳が、夕日に照らされていて…
――――綺麗…、引き込まれそう……。
「…先生ッ………。」
口を開くと、天知君の目からぽろりと涙が零れた。
高校生とは思えないほど艶やかな顔に、俺は虜になっていた。
「…先生、好きです……。」
その大きな瞳から、ぼろぼろと大粒の涙が零れた。