先生、好きです。
第1章 学校
「……何だ…コレ……。」
屋上を降りてすぐ保健室に駆け込んだ。
洗面台の鏡をのぞき込むと、俺の頬は真っ赤に染まっていた。
「…何してんだ……俺……。」
天知君がメロンパンをくわえていたのを見て、無性に彼の唇に触れたくなった。
メロンパンを食べるフリをしながら、軽く唇を合わせた。
「……やらかかった…。」
唇に手を当てると、天知君の唇の感触がフラッシュバックした。
微かに触れただけだったが、柔らかく温かい感触は俺の唇に焼き付いて離れなかった。
「………男だろ…、俺も…あのコも……。」
そうだ。俺も天知君も立派な男だ。
こんなの友達同士とかなら、良くあるだろう。
……生徒と先生ではあるが…。
とにかく、そんなに気にする事ではないだろう。
「ん…、気にするな…!」
鏡に映る赤い顔を水でバシャバシャ洗い、タイミング良く現れた生徒を診察しはじめた。