
桜 舞う
第2章 おまけ
誰かが仕事を終わらせるのが先か、酒々井が顔を出すのが先か……
それもまた運、だな。
知れず口許が緩みそうになって酒々井に関する思考を止める事にした。部下に発破を掛けておいて、自分が終らないようでは示しがつかない。
どれくらい時間が過ぎたのか、入り口がゆっくり開くのに気が付いた。恐る恐る顔を出した酒々井と目が合って。瞬時に赤くなるその頬に堪えきれずに口角が上がる。
「あ、酒々井さん!」
目敏い山下の声に全員が一斉に入り口の方を向いた。
「あの、休ませて頂いてありがとうございました。何か、手伝える事ないですか?」
益々頬を赤く染めた酒々井に被るように金井が手を挙げる。
「ありがとう、助かる。こっち来て!」
彼女の抱えてる仕事の量は多い。
どうやら運は俺の味方らしい。
いそいそと金井に歩み寄る酒々井からPCへ視線を戻し、俺は内心ほくそ笑みながら残りの仕事に取り掛かった。
花見へ向かう道中、どうやって金井から酒々井を取り上げようか……
そんな算段を頭の中で描きながら―――
了
それもまた運、だな。
知れず口許が緩みそうになって酒々井に関する思考を止める事にした。部下に発破を掛けておいて、自分が終らないようでは示しがつかない。
どれくらい時間が過ぎたのか、入り口がゆっくり開くのに気が付いた。恐る恐る顔を出した酒々井と目が合って。瞬時に赤くなるその頬に堪えきれずに口角が上がる。
「あ、酒々井さん!」
目敏い山下の声に全員が一斉に入り口の方を向いた。
「あの、休ませて頂いてありがとうございました。何か、手伝える事ないですか?」
益々頬を赤く染めた酒々井に被るように金井が手を挙げる。
「ありがとう、助かる。こっち来て!」
彼女の抱えてる仕事の量は多い。
どうやら運は俺の味方らしい。
いそいそと金井に歩み寄る酒々井からPCへ視線を戻し、俺は内心ほくそ笑みながら残りの仕事に取り掛かった。
花見へ向かう道中、どうやって金井から酒々井を取り上げようか……
そんな算段を頭の中で描きながら―――
了
