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ローズ学園

第4章 春太&快斗④



「ただいまかい~!」

春太が元気よく帰ってくる。


「あれ?寝てる?」

春太が机の上に荷物を置く音がする。そう言えば何を買いに行ったんだろう。


「かい。ただいま。」


春太が俺のベッドに近づいて、俺の頭をなでる。

春太の優しさがにじみ出てるようで、俺のこの気持ちが汚く感じる。


「おかえり。」


春太の方を向かずに答える。

「あ!ごめん。起こしちゃった?」


「いや。いいよ別に。何買ってきたの?」

ベッドから少し起き上がって春太の方を向く。

春太はベッドのそばで膝をついていた。


「えと、それは…。」

困った顔。なんか、むかつく。


「逢沢とは買いに行ったのに、俺には言えないの?」


「え、そういうわけじゃなくて、その。」


春太は困ってる。うん。そーいうわけじゃないってわかってる。

こんな自分いやだ…。



「…。ごめん。こんなのいやだよな。」


ベッドの上で体操座りをし、頭を膝に押し付ける。

春太に顔を見られたくない。


「俺、最近変なんだ。春太が他のやつと話してるの見るとモヤモヤして、不安になってさ。
春太を独り占めしたいとかそんなの無理なのわかってるのに。ごめん…。」


やっと言えた。俺のホントの気持ち。

こんな俺を知って、嫌いになるかな。


「かい。こっち向いて?」


春太が体操座りをしたままの俺に言う。

仕方なく顔を上げる。でもホントは見られたくない。


春太の方を見ると、真面目な顔で俺を見てた。


「かいと…。」



チュ



春太がゆっくりキスをした。驚きすぎて目を閉じれなかった。

近くで見る春太の顔はキレイでかわいかった。


久しぶりに春太の方からキスをしてくれた。





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