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棺の城

第4章 第二章・城の生活

ゼク(56番)の尿を取ってこい

せんせいはそう言って僕にコップを押し付けた

古いレンガで作られた城の階段を

ぼくはしぶしぶ上がっていく

そしてたどり着く56番の番号札がかかった部屋の前

コンコン

とノックをする

そんなもの必要ない

とせんせいは言っていたけど

僕は正直気が引ける

一瞬待って、扉をあける

彼女は窓際に腰掛けて

ぼうっと外を眺めていた

僕が入ってきても気づかない

彼女はこの城の中に居る彼女たちの中でも

比較的生気のある方だった

ぼうっとしている彼女の横にたっても

彼女は僕を認識していない

ぽつり、と

彼女の耳元で僕はささやく

先生に教えてもらった、秘密の呪文

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