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一通の手紙

第3章 少年を泣かせました

りんたろう君のウルウルした目を見ていると、なんだか八つ当たりしてる私が嫌になってきた…

はぁ…


私はりんたろう君の掴んだ腕を引っ張り私の横に座らした


『大事な手紙なら直接渡しなさい、その方がりかちゃんも喜んでくれると思うよ?』

服の袖で目に溜まっていた涙を拭き取ってあげた


『どうしても無理なら誰に見られても我慢しなさい』


『それから、女の子はこの本に出てくる王子様みたいにお金持ちで優しくってちょっと強引な人が好きなの』


りんたろう君はボーッと私を見ている


『りんたろう君は優しいんだから、もうちょっと強引になった方がいいと思うよ』


りんたろう君の涙が止まった

ポカーンとしている

そりゃそうだろう
知らない人から意味不明なこと言われてるんだから


もう私も意味不明だ
勝手に口が動いてる感じ


『りかちゃんに届くといいね』

それだけ言うと私は本を置いて立ち去った


まぁ要するに…逃げたのです


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