おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第15章 池田悠と言う男(その2)。
コーヒー液の最後の一滴がポタリと落ちたタイミングで、ドアをノックする音。俺が扉を開けると、廊下に立っていたのは、先程の淫らな姿など微塵も感じられない森脇さんだった。
中に入る様に促し、コーヒーを振る舞う。彼女の向かい側に座り、仕事で困った事はないかとか、体調はどうかなどを尋ねながら、彼女を観察する。
眼鏡を外し、少し化粧を施しただけで、垢ぬけた印象だ。いや、着ている服のせいもあるのかも知れない。今、着ている服は、彼女の体形にぴったりのタイトスカートのスーツだった。
丈が少し短めで、座るとスカートが腿まで上り、細い脚が露(あら)わになる。ぴったりと閉じられた膝。さっきあの膝に彼女のパンティーが引っ掛かってたんだよな。
暗くて見えない、魅惑のトライアングル。そのスカートの奥にどんな花園を隠しているのか興味を覚える。
(彼女は俺を医者として信頼して話してくれているんだ。邪な事など考えるな!)
そう心に言い聞かせても、先程見た光景が頭に焼き付いて消えない。童貞じゃあるまいしと自分に苦笑せずにはいられない。
しかし、一度持ってしまった好奇心を抑える事が出来ず、彼女の一言で、俺はとんでもない事をしてしまうのだった。