おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第15章 池田悠と言う男(その2)。
(それにしても……)
もう一度、森脇さんの姿を見てドキリとする。あの日、コンタクトレンズを買った彼女は、眼鏡をもう掛けてはいなくて。誰かに教えて貰ったのだろうか。薄く化粧を施した顔。
濡れた唇は色っぽく半開きで。達したばかりの目は少し虚ろだが、それがまた情事の後と言った風情で艶(なま)めかしい。
細い脚の左膝には、下ろされたパンティが引っ掛かっていて卑猥さを醸し出している。足元の床には、恐らく彼女の愛液と思われる水溜りが出来ていた。
取り付けられた器具を外しながら、彼女の大事な部分を食い入る様に見つめる新人君と彼女の様子を書き記す山岡君。彼女のあの部分はどんなだろうかと、想像をかきたてられる。
(いけない。医者としてそんな邪(よこしま)な目で見ては駄目だ!)
俺はそう自分に言い聞かせて、目を背けると、「あまり無理はさせないように」と忠告してその場から離れた。
医務室に戻ってからも、その光景が頭から離れず、気持ちを鎮めるのに躍起になって、医学書に向かった。
そうこうしている内に、彼女の就業時間も終わり、メールで「今から伺います」と連絡が入る。俺は彼女を迎える為、コーヒーをドリップしながら、彼女が来るのを待った。