おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第23章 ざわつきのアフター6。
我社の業務終了時間は十八時が定時と決まっている。総務課、庶務課、経理課等の事務系の部署は、殆どの人が十八時には退社して行く。他の部署は、仕事がある者は残業をする事もあるが、基本的には殆ど残業がないホワイト企業らしい。当然、我がAD部も殆ど残業はなく、皆、定時で上がる事が多い。
皆さんの就業時間外には、殆ど興味のなかったアタシだから、その後、皆さんがどうされているのかを知らなかったが、どうやら他の部署の同期の人達と飲みに行ったり、食事をしたり、他の会社の女性達と合コンをしたりしているらしかった。
まあ、イケメン揃いのAD部だから、あちこちからお声が掛かるのも頷ける。今日もどこかの会社の女性陣と合コンだと、下出が話しているのを小耳に挟んだ。どうやら、下出がセッティングしているらしい。山岡さんも行くのかな……?
アタシは帰り支度をしながら、耳をそばだてる。川上さんはどうやら行く気満々らしい。川上さんが行くなら、きっと山岡さんも行くんだよね……。そう思っていると、山岡さんは急な用事が出来たからと言って断っていた。
「ええー!? そりゃあないっすよ! 数が合わなくなるじゃないっすか!」
「悪い。妹が今朝から熱出してんだ。「早く帰って来てね」って言われて、帰らないワケにはいかないだろ?」
「そっかぁ……妹ちゃんが帰りを待ってるなら仕方がないねぇ」
「ゴメン。じゃあ、悪い。急いでるから!」
そう言うと山岡さんは、そそくさとオフィスを出ていった。アタシは山岡さんが合コンに参加しない事にホッと胸を撫で下ろす。アタシも早く帰ろうと鞄を手に取り、皆さんに挨拶をした。